MySQLのデータベース環境を構築する際、最も重要な要素の一つが文字コードと照合順序の適切な設定です。これをきちんと設定・理解しないと、エラーやパフォーマンスの低下につながります!
僕は初心者の時に、あまり意識せずSQLを実行していましたが、ある時、大規模なテーブルにSQLを実行する際に痛い目にあったことがあります。。。なので照合順序についてもこの記事で理解してもらえたらと思います!
文字コード (Character Set)
文字コードは、データベースに保存されるテキストデータのエンコーディング形式を定義します。近年、utf8mb4
が推奨されるようになりました。これは、MySQLがサポートする最も広範囲なUnicode文字セットで、絵文字や特殊な言語の文字を含む全ての文字をサポートします。文字コードは、サーバー、データベース、テーブル、カラムレベルで設定可能ですが、全体を通して一貫した設定を行うことが重要です。
照合順序 (Collation)
照合順序は、文字列の比較や並べ替え時のルールを決定します。例えば、大文字小文字の区別、全角半角の区別、アクセントの有無の扱いなど、文字列の比較方法を決定します。utf8mb4_general_ci
は大文字と小文字を区別しない一方で、utf8mb4_bin
は文字のバイト値に基づいて厳密に区別します。照合順序は、文字列の検索やソートに直接影響し、アプリケーションの要件に応じて適切に選択する必要があります。
検索機能(like %キーワード%)で大文字と小文字を区別したくない時は、utf8mb4_general_ci
にしても良いですが、基本的には、utf8mb4_bin
を使った方がいいですね!
設定方法
データベースやテーブルを作成する際には、以下のように文字コードと照合順序を指定します。
CREATE DATABASE mydatabase
CHARACTER SET utf8mb4
COLLATE utf8mb4_general_ci;
既存のテーブルに対して変更する際には、次のように文字コードと照合順序を設定できます。
ALTER TABLE mytable
CONVERT TO CHARACTER SET utf8mb4
COLLATE utf8mb4_unicode_ci;
カラムに対して変更する際には、次のように文字コードと照合順序を設定できます。
ALTER TABLE mytable
CHANGE name name VARCHAR(255)
CHARACTER SET utf8mb4
COLLATE utf8mb4_unicode_ci;
注意点
MySQLでは、異なる照合順序を持つ文字列を直接比較すると、エラーが発生することがあります。これは、異なる照合順序同士では、文字の比較基準が異なるためです。しかし、この問題には対応策があり、SQLクエリ内で直接Collation(照合順序)を指定して比較を行うことができます。
比較ができない例
例えば、次のような2つのテーブルがあるとします。
テーブルA
:列name
の照合順序がutf8mb4_general_ci
テーブルB
:列name
の照合順序がutf8mb4_bin
これらのテーブルで name
を比較する場合、直接比較するとエラーになる可能性があります。
SELECT A.name, B.name
FROM テーブルA A, テーブルB B
WHERE A.name = B.name COLLATE utf8mb4_general_ci;
対応策1:クエリ内でのCollation指定
比較を行う際に一方の列のCollationを他方と同じに指定することができます。
この例では、テーブルB
のname
列をテーブルA
のname
列と同じutf8mb4_general_ci
照合順序で比較するために、COLLATE
キーワードを使用しています。これにより、異なる照合順序を持つ列同士でも、一時的に同じ基準で比較することができるようになります。
SELECT *
FROM テーブルA, テーブルB
WHERE テーブルA.name = テーブルB.name COLLATE utf8mb4_general_ci;
対応策2:カラムの定義を変更
ALTER TABLEでカラムの文字コードや照合順序を変更することができます。
対応策1の場合、インデックスが効かなくなるため、できる限りこの方法で対応することをおすすめします!
まとめ
MySQLでの文字コードと照合順序の適切な設定は、データの整合性に不可欠です。特に、多言語対応や絵文字を使用する現代のウェブアプリケーションでは、utf8mb4
と適切な照合順序の選択が推奨されます。