Linuxで作業をする際には、特定のプログラムやスクリプトをどのディレクトリからでも実行できるようにすることが重要です。これを可能にするためには、「パスを通す」という作業が必要になります。この記事では、Linuxでパスを通す方法について詳しく説明します。
僕も初心者の頃は、パスを通すって何をしているんだろうと、全くイメージが分かりませんでしたが、この記事を通して少しでも分かるようになってもらえると幸いです。
パスとは?
Linuxでは、シェル(コマンドラインインターフェース)でコマンドを実行するとき、そのコマンドが格納されているディレクトリを知る必要があります。しかし、毎回完全なパスを入力するのはすごく面倒くさくて大変です。そこで、システムはPATH
という環境変数を使用して、コマンドを探すディレクトリのリストを管理しています。このリスト内のディレクトリは、コマンドを実行する際に自動的に検索されます。
環境変数とは?
OSによって使用される値を格納する変数のことです。これらの変数は、システムやアプリケーションが動作する際に必要な情報、例えばユーザーの言語設定やディレクトリのパス、使用しているシステムの種類などを含んでいます。
この環境変数にどこからでも実行したいコマンドのパスを格納することで、どこからでもコマンドが実行できるというわけです!
パスを通す方法
まず、既存のPATHの内容を確認します。ターミナルで以下のコマンドを入力してください。これにより、コロン(:
)で区切られたディレクトリのリストが表示されます。
echo $PATH
新しいディレクトリをPATHに追加するには、以下の形式のコマンドを使用します。
export PATH=$PATH:/新しく追加したいディレクトリのパス
例えば、/home/user/bin
をPATHに追加する場合は、以下のように入力します。
export PATH=$PATH:/home/user/bin
上記の変更は現在のセッションにのみ適用されます。全てのセッションで永続的にパスを通すには、.bashrc
や.profile
などのシェルの設定ファイルに上記のexport
行を追加します。これにより、ログインする度にパスが自動的に設定されます。
注意点
- 複数のディレクトリを追加する場合は、コロン(
:
)で区切って列挙します。 - 誤ってPATHから重要なディレクトリを削除しないように注意してください。これにより、システムコマンドや他の重要なプログラムが見つからなくなる可能性があります。
まとめ
Linuxでパスを通すことにより、特定のディレクトリ内のプログラムやスクリプトを、システム上の任意の場所から容易に実行できるようになります。皆さんも試しに、どこからでも実行したいコマンドのパスを環境変数に追加してみてください!